クリエイターだったら絶対読むべき、稲船敬二さんのインタビュー

ロックマンなどの開発者で、少し前までカプコンのトップの開発責任者だった稲船敬二さんのインタビュー記事。


http://www.4gamer.net/games/084/G008467/20101029004/


2010年10月のインタビュー記事だけれども、すごく参考になったとともに
今日本の業界が抱えている問題や、それに対しての行動などなど
自分自身にすごくためになった。


3時間ぐらいのインタビューで、記事が長く内容もすごく濃かったけれど
一気に読んでしまった。


自分が特に響いた話を抜粋したけれど、その業界にいる人や、
自分のように夢を追っている人には、是非すべて読んでほしい。

日本のゲーム業界がいまぶつかっている非常に大きな壁というのは,
クリエイターのサラリーマン化なんです。
要するに,ある意味社会主義国家みたいなものなんです。一生懸命働くだけ損なんです。
働かない方が得なんです。でもそれって,クリエイターとして失格じゃないですか。
とにかく無難にやっとこう,でいいものを作れる時代じゃないんです。
売れないと来月の給料がもらえない,というシステムじゃないんですよね。
売れなくたって来月の給料が確保されます。そのシステムのなかで働いて慣れてしまっているので,
それに対して,もっともっといいゲーム作らなきゃ,という意識が弱くなっちゃったんです。
「だってちゃんと言われたことはやってるもん」みたいな。
成功すれば吸い取られ,失敗すればオマエのせい。これじゃあどうにもなりません。
クリエイターを大事にしようとか,クリエイターを育てようとか,
ゲーム産業自体がそういうレベルに全然達していないんですね。カプコンだって同じ状況です。
そしてこれは,とてもまずい状況だと思うんです。早く変化を及ぼすべき問題なんです。
僕自身も,カプコンという大きなパブリッシャの中にいて,大きな傘の中にいて,
雨が絶対にかからない状況の中で,偉そうにあーだこーだと言ってもダメだと思ったんです。
だから自分もその傘から飛び出して,サラリーマン根性を消し去って,
本当の自分の実力というものを試したい,見せたいと思ったわけです。
海外から学んで,そのまま海外の猿真似をしたって仕方ないんです。日本のゲームのいいところと,
海外から学んだものを融合して,日本らしいゲームを海外に提供すること,それが大事なんです。
何が面白いのかを「どこまでもとことん話し合う」ことです。こっちはここが面白いと思ってる,
けど向こうはそれを知らないから違うところが面白いと思ってる。そういうことが頻繁に起こってるから,
最終的に形に仕上がったときに大変な事態になっちゃうんですよ。一致するまで話し合うべきです。
少なくとも今は,洋ゲーの方が面白いし勝っています。
でも,日本のゲーム作りの精神だって,そんな簡単には消えないですよ。
日本人の団結力は,本気出したらすごいんです。
僕は日本が大好きだからこそ,アメリカやヨーロッパに負けたくないんです。
だから,できれば日本のゲーム業界を変えたいんです。
社長の仕事って簡単ですよ。数字のことなんてプロにまかせておけばいいんです。
本当に大事なことは二つしかなくて,部下を評価することと,夢を語ること。これだけです。
夢を語らないと,みんながどこに行けばいいのか分からないですからね。


自分も面白いものを作ろうと思うときは、友人と昼夜問わず、面白い要素とは何なのかということを、とことん話し合った。
お互い深い部分まで話し合うことで、自分の知らなかった面白いと思える要素なども知ることができる。

その中でいくつか異なる試作ゲームを作ってみて、今回はこれでいこうと、そういう形で進めていた。


テスト版には搭載していなかったけれど、作り込んでいる機能なども結構あったのだけれども、11月末のテスト版からいろんな人にアウトプットをもらえたので、この際だからもっといいものを目指したいと思って、デザイン、システムともに大幅な改修中です。


あと諸事情があってFacebookじゃなくてAndroidで最初から行くことに完全に切り替えてます。


第一弾にいろんな要素を盛り込みたいと考えすぎて、考えがまとまらなくなってしまった時期があったけれど、1つのゲームにすべて詰め込む必要はなくて、それぞれのアイディアとして独立したゲームを作ればいいんじゃないかって。
Androidなどのスマートフォンだったらそれが可能だと思うので、
その方針でやっていたりする。


第1弾がある程度上手くいけば、第2弾からは開発に参加できそうな人達もいるので、ここはがんばっていきたい。